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株式会社リリムジカは、音楽療法を学んだ人に働く場を提供します

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  NEC社会起業塾、中間報告会終了後。コーディネータ、スタッフ、起業家たち。後列中央左のスーツ姿が私です。

今まで私のブログでは、株式会社リリムジカの仕事および私の仕事を
「音楽療法士の支援」と書いてきました。「音楽療法士を助けたい」という気持ちは
ありましたが、「支援」という単語にあいまいさを感じており、なんとかせねばと
思っておりました。ブログを読んでくださった方の中にも「支援とは、結局何を
することなのか?」という疑問を感じた方がいらっしゃったことでしょう。

そんな中、私たちはNEC社会起業塾の中間報告会というイベントを経て、リリムジカの
仕事を「音楽療法を学んだ人に働く場を提供すること」と定義することができました。
NEC社会起業塾とは、NECETIC.が共催している、創業したての社会起業家
育成プログラムです。私たちは8月の選考で正規の枠には入れませんでしたが、
特別枠として参加をさせていただいていただきます。なお、過去の塾生には社会的な
企業として大変有名な、フローレンスさんもいらっしゃいます。

なぜこのように「支援」から「仕事の場をつくること」というように具体化ができたかと言うと、
「音楽療法の業界が発展しない最大の理由は、業界外部に対してまだまだ貢献が
できていないからではないか」だと感じたからです。合宿の期間中に、「今まで
さんざん音楽療法という単語を聞いたが結局なんだかわからない」という声や、
「音楽療法業界の課題を挙げるのではなく、音楽療法がどう人に役立つのかを
教えてほしい」という声をいただきました。私たちがすべきことは、音楽療法と社会の
接点をつくることだと考えました。(ブログの名前も変えました!)

今後の私たちの課題は、社会のどこと接点をつくるか。すなわち、「誰のために
どのような効能がある、音楽療法のサービスをつくるか」
を決めることです。
音楽療法は現状でも障がい者や高齢者などいくつかの領域をカバーしています。
しかし本当に音楽療法士の仕事を成り立たせるためには、もっと対象者を具体的に
しなければなりません。障がいにも色々ありますし、高齢者にも色々あります。

合宿では音楽療法が役に立つと考えられる分野を50個思いつくまま挙げてみました。
高齢者や障がい者だけでなく、子育てにつかれているお母さん、ターミナルケアを
必要としているがん患者など。そこから、①「音楽療法の強みと相性がよく」、
②「緊急性と市場性を兼ね備えて」おり、③「リリムジカのオフィスがある
杉並区近辺にニーズがある」
分野をわたしたちが扱う領域として絞り込みます。

それを行うために、今後私たちは①「音楽療法を活かしたサービスで成功している
事例はないか?」②「成功している要因は何か?」
という問いに答えます。
現在行っている奈良市の事例の調査も、そのひとつとしてとらえます。

音楽療法(士)の強みは、音楽の高度な技術に加えて、対象者について
医学的な知識を持ちうる点だと思います。彼らが、その強みを活かして
人々の課題をどんどん解決していく日は、そう遠くないと思います。

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          社会起業家たち。今回柴田は欠席だったが 、次回は全員で写真を撮りたい。
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08年11月28日(金)、11月29日(土)とNEC社会起業塾の中間合宿に参加してきました。そこでは、リリムジカがなすべきことを「音楽療法を学んだ人がいきいきと働ける場をつくること」だと定めることができました。

音楽療法を仕事にしたい人のための、学校の選び方

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            洗足音楽大学                               聖徳大学

「音楽療法士になろう」と思ったときにまず考えるのが、「どこで音楽療法を
学ぶか」ということかと思います。大学や専門学校からあれこれ資料を
取り寄せている方も多いことでしょう。しかし、いざ学校を選ぶときに何を基準に
すればよいか、わからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

音楽療法を学ぶ学校を選ぶ基準は何か。

一言で表すと、「音楽療法を職業として続ける自信がつく環境であるか
どうか」だと考えられます。学校で音楽療法を学んでも途中で仕事にするのを
あきらめてしまうケースも多いので、音楽療法を仕事にしたい人には
この基準が最も重要だと言えます。

では「自信がつく環境があるかどうか」は、具体的にどうやって判断すれば
良いのでしょうか。私は以下の3つが重要な判断基準だと考えています。

(1)医学の知識と即興の技能を十分身につけられるかどうか

一番重要なのが、現場で使う医学の知識と即興の技能がきちんと教えられて
いるかということです。なぜこの基準が大事かと言うと、豊富な医学的知識と
状況に応じた即興の技能があるかどうかが、一般の音楽家とプロの音楽療法士の
分かれ目だからです。クライエント(相手)に必要とされる音楽療法を
提供するためには、クライエントに対するそもそもの理解と適切な音楽の提供が
欠かせません。実際、現場で活躍している音楽療法士さんも
医学的な知識や即興の重要性に関して下記のように語っています。

「現場に出ると、やはり医学的な知識は大事だなと感じます。」
「目の前にいるクライエントがどのような疾病なのか、どのような障害なのか、
基本的な障害や疾病に対する知識の補強はしていかないと。」
「現場で必要だと感じるのは、やはり即興の技術ですね。現場ではピアノを
弾くことが多いので、演奏がワンパターンにならないよう、多くのアイデアや
引き出しを持ちたいとは思いますね。」

               (the ミュージックセラピー vol.07 P.52~の記事より)

たいていの学校では、どのようなカリキュラムで授業が行われるかを
公開しているので、まずはこの二点を中心に「どのような授業があるか」
「誰が教えているか」を、確認してみると良いでしょう。

(2)十分な量と質の確保された実習カリキュラムが存在するか

続いて重要なのが、実習がどのように行われているかです。なぜ実習が
重要かと言うと、実習の内容が現場での仕事に直接結びつくからです。
実習では毎回プランの立案、セッションの実施、振り返りを行いますが、
この中で学生たちは仕事の実際の流れをつかんでいきます。
実際、洗足音楽大学では3年生と4年生の2年間で、資格取得の基準である
270時間をはるかに上回る400時間の実習カリキュラムを組んでおり、
これが多くの音楽療法を行う正職員の輩出につながっています。
(大学への電話調査による)

実習に関しては、ただ量を重ねればよいのではなく、責任あるポジションで
セッションを行うことができるかも重要なポイントです。
現在活躍中の音楽療法士さんから、下記のような意見が出ています。

「学校では実習は3~8人のチームで行っていましたので、チームの中で
積極的な人と、そうでない人と、どうしてもそれぞれに役割分担のようなものが
できてしまうことがあります。」
「グループで実習に行って、やはりその中に頼りになる人がいると、その人に
頼ってしまうところがありますよね。」

               (the ミュージックセラピー vol.07 P.52~の記事より)

実際の現場には一人で向かうことも多いです。だからこそ、いつも
緊張感をもって臨める実習の環境があることが、理想的だと言えます。
実習の時間・場所・内容については学校に問い合わせることができます。
ある程度学校を絞ることができたら、直接電話で確認してみることを
お勧めします。

(3)卒業後も頼れる人間関係をつくれるか

最後に重要だと考えられるのが、先生、先輩、同輩たちと卒業後も
関わっていけるかどうか、です。現在、音楽療法士を大勢で雇用する
会社や施設はほとんどありません。職場に同期がいないからこそ、
困ったり悩んだりしたときに頼れる人間関係が必要になります。
聖徳大学の音楽療法コースでは、毎年1回卒業生を集めて講座を
開いており、この機会が卒業生たちの良い情報交換の場になっています。
(大学への電話調査による)
また、、前述の洗足音楽大学では先輩の後を追って後輩が同じ施設に就職する
ケースもあるそうで、大学時代の人間関係が力を発揮していると言えます。

先輩の数を知るには「いつ音楽療法の学部(またはコースや専攻)が
生まれたか」や「1学年あたりの学生数」を調べるとよいでしょう。
交流の機会の有無を知るには学校に問い合わせてみるのがよいでしょう。


音大で音楽療法を学ぶと毎年200万円前後の学費がかかります。
私立大学の一般学部と比べれば約1.5~2倍、国立大学と比べると
約4倍も費用がかかる計算です。払ったお金が十分身になるかどうか、
ここで挙げた基準を参考に、学校選びをしてみると良いと思います。

音楽療法士を目指すみなさまが、良い学校と出会い、
社会に巣立っていくことを願っております。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

前回の記事で予告した奈良市の事例は現在も調査中でございます。
音楽療法推進室の方が丁寧に現状を教えてくださっています。来週中には
情報をまとめてブログに掲載する予定です。どうぞお楽しみに。
音楽療法の学校を選ぶ基準は、一言で表すと「職業として音楽療法を続ける自信がつく環境かどうか」です。具体的には、医学の知識と即興の技術を十分身につけられるかどうか、十分な質と量の確保された実習カリキュラムが存在するか、卒業後も頼れる人間関係をつくれるかの3つが重要です。

経済的な自立を目指す音楽療法士が読むべき書籍

今や音楽療法士一本では食べていけないということが、業界の常識に
なりつつあります。大学を出ても求人はなく、現役で活躍されている
音楽療法士さんたちも、複数の現場をかけもち、アルバイトをして
生計を立てている状況があります。そんな苦しい状況の中、きちんと
報酬を得ることを目指す音楽療法士はどんな本を読む必要があるの
でしょうか。

その答えの一つとして、私は「経営者の条件」という書籍を読むべきだ
と考えます。なぜ私がこの書籍を薦めるか。それは、この本に「成果」を
あげるための一般的な原則が書かれているからです。雇われることが
難しい状況下で経済的な自立を図るためには、お金を払ってくださる
方(施設、クライエント)に対して具体的な成果を出し続けることが
求められます。自分の仕事でどうすればきちんと報酬を得られるかを考えたとき、
この本に書かれている内容は、とても役に立つことでしょう。

実際この本には、成果を出すために必要なことが、具体的かつ詳細に書かれています。
過去の事例をふんだんに使って説明がなされているので、内容にも説得力があります。
たとえば序章「成果をあげるには」というところでは、成果をあげるために最も重要な
習慣の一つとして、下記の内容が挙げられています。

第一に身につけるべき習慣は、なされるべきことを考えることである。何をしたい
かではないことに留意してほしい。なされるべきことを考えることが成功の秘訣
である。これを考えないならばいかに有能であろうとも成果をあげることはでき
ない。(中略)ジャック・ウェルチがGE(ゼネラル・エレクトリック)のCEOに就任
したとき、会社にとってなされるべきことは、自分がしたかった事業の海外展開
ではないことを知った。それは、いかにいま利益があがっていようとも、世界で
一位あるいは二位になる価値のない事業からは手を引くことだった。
(序章「成果をあげるには」より)

※ジャック・ウェルチ・・・ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者を務めた
アメリカの実業家。その経営手腕から、伝説の経営者と呼ばれています。

私たちは通常、どうしても「自分がしたいこと」を「しなければならないこと」よりも
優先しがちです。しかし、実際に成果をあげるためには「自分がしたいこと」よりも
「しなければならないこと」を先に行う必要がある、ということが、この文で示されています。

他にも上司との関係に悩む人には、第4章「人の強みを生かす」のところで
次のようなアドバイスがなされています。

成果をあげるには、上司の強みをいかさなければならない。企業、政府機関、
その他あらゆる組織において、「上司にどう対処するか」で悩まない者は
いない。実のところ答えは簡単である。成果をあげる者ならばみな知って
いることである。上司の強みを生かすことである。これは世間の常識である。
現実は企業ドラマとは違う。部下が無能な上司を倒し、乗り越えて地位を
得るなどということは起こらない。上司が昇進できなければ、部下はその
上司の後ろで立ち往生するだけである。たとえ上司が無能や失敗のために
更迭されても、有能な次席が後を継ぐことはない。外から来る者が後を継ぐ。
そのうえその新しい上司は息のかかった有能な若者たちを連れてくる。
(中略)上司も人である。人であれば強みとともに弱みをもつ。しかし上司の
強みを強調し、上司が得意なことを行えるようにすることによってのみ、
部下たる者も成果をあげられるようになる。(第4章「人の強みを生かす」より)

ここで書かれている部下と上司との関係は、音楽療法士と共に働く職員との関係に
置き換えられるのではないでしょうか。施設の他の職員や理学療法士、作業療法士らが
はじめから音楽療法士の期待どおりに動くことはありません。そんな自分にとって
不利な状況で成果をあげるためには、まずは自分以外の人間が成果をあげられる
ようにする必要があるようです。間違っても、先にいる他の職員たちをさしおいて
自分だけが成果をあげられるようにしてはいけない、ということが書かれています。

この本には他にも、「成果をあげるための能力を習得する方法(第1章)」や「時間を
有効に使うための方法(第2章)」など、役立つ方法が豊富な事例と共にわかりやすく
書かれています。この本に書いてあることを実践することで、音楽療法士は、
仕事で成果をあげるための考え方やスキルが身につけられることでしょう。

では実際に、この本の購入にいくらかかるかというと、1890円(税込み)です。
1回飲み会を我慢すれば、十分捻出できる金額です。ページ数は本文部分で227ページ。
お休みの日に半日かけて熟読すれば、かなりの気づきが得られることでしょう。

ドラッカー名著集1 経営者の条件
「音楽療法士として生計を立てるために読むと良い」と考えられる書籍を紹介します。経営思想に大きな影響を与えた存在であるドラッカーの、「経営者の条件」です。

音楽療法士が知るべき保険の仕組み

「音楽療法は保険がきかないから、音楽療法士は食べていけないのだ」という
話をよく聞きます。なんとなく「そうなのかぁ」というイメージは湧きますが、
実際のところ保険の仕組みはいったいどのようになっているのでしょうか?
「音楽療法を保険がきくようにしたい」立場を取るにせよ、その立場を取らないにせよ、
事実に即した議論をするためには、保険の仕組みについてきちんと知る必要があると
考えられます。ここでは、音楽療法士が知るべき保険の仕組みについて、説明します。

まずは下の図をご覧ください。これは、いわゆる「保険がきく医療」(保険診療と
よびます)における各主体のやりとりを簡単に表したものです。


 保険診療の仕組み


この図における保険医療機関はいわゆる病院を指します。また、非保険者は
いわゆる患者さんのこと、保険者は企業が設立する健康保険組合等のことを指します。
おさえておきたい流れは以下の4つ。漢字が多いですが、内容は簡単ですので
ぜひ飛ばさずに読んでください。

1.被保険者は、日ごろから保険者に保険料を支払っている。
2.被保険者が保険の適用が認められる診療(保険診療)を受けた際、
  保健医療機関は診療報酬点数表に基づいて診療報酬を計算する。
  (※1点=10円 ※例えば時間内の初診で270点と定められています)
3.保険医療機関は診療報酬の一部を被保険者に請求し、
  被保険者はそれを支払う。
4.保険医療機関は診療明細(診療報酬明細書、レセプトとも言う)を
  保険者に出し、保険者は残りの診療報酬を保険医療機関に支払う。

まとめると、「被保険者は日ごろから保険料を支払っていて、それゆえ
いざというときに安価で保険診療を受けることができる」ということになります。

一方世の中には保険のきかない診療(自由診療)もあります。自由診療には
保険で認められていない治療法や、通常の歯列矯正や美容整形など
要医療状態以外に対する医療行為が含まれます。現状では音楽療法も保険が
きかないので、この自由診療に含まれます。保険診療では全国一律の
診療報酬点数表によって診療報酬が決まりますが、自由診療では
各医療機関独自の裁量で診療報酬が決まります。


 自由診療の仕組み


ここで、もし神経症の患者のために、病院で自由診療として音楽療法をやりたい、
という際に、それができるのであれば問題はありません。しかし現在、病院で
自由診療による音楽療法を行うのは難しい状況になっています。なぜならば、
「混合診療の禁止」という制度があるからです。簡単に言うとこの制度は、
保険診療を受けている患者が自由診療を併用しようとすると、保険診療で
元々保険者に負担してもらうはずだった分も全額自己負担をしなければ
ならなくなる、というものです。


 保険診療と混合診療


実際、東北大学病院では緩和ケアセンターで音楽療法を行っていますが、
自由診療として音楽療法を行うことができないため、治療費の請求は
行っていません。また、同施設では自閉症児に対する音楽療法を
自由診療として行っていますが、音楽療法を受診する患者さんは、他科の
保険診療が受けられないようになっています。

(the ミュージックセラピー vol.10 「東北大学における音楽療法の取組み」より)

医療格差、保険財政などの視点から、すぐに混合診療を解禁すべきだ、と
言い切ることはできません。しかし、「混合診療の禁止」という制度が、
病院における音楽療法の普及をさまたげている事実はあるようです。


※参考資料
 社会保険庁 全国健康保険協会管掌健康保険基礎知識
 ウィキペディア 健康保険
 法庫ドットコム 健康保険法のページ
 東プラ健保 健康保険の仕組み
 全国保険医団体連合会 医療用語の解説

音楽療法士たちの心理的成長

音楽療法士を志す人たちはどのような心理的ステップを踏んで成長するのでしょうか?
この問いに対して、「チャレンジ!音楽療法2003」で臨床家として長く音楽療法を
実践されてきた松井紀和先生がお答えになっています。先生曰く、その心理的ステップは
下の表のとおり大きく四段階に分けられるとのこと。


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まず、自分自身が「音楽が素晴らしい」と思えるような原体験をする。次にその体験を
人に勧めたいと思う。松井先生は、この第二段階の心理を「美味しいお店を人に教えたい
気持ち」にたとえています。第三段階になると、体験をただ人に勧めるだけではなく
自ら提供しようとし、第四段階では、体験を提供するエキスパートになろうとする。

この第四段階まで至った場合に、音楽療法士はプロとしての道を歩み始めるのでしょう。
ここで松井先生は、演奏家や音楽家と音楽療法士の違いは「誰のために
音楽を使うか」という点にある
とし、下記のように指摘されています。

「長い間、自分のために音楽をやってきた人が、ある日突然人のために音楽を使うとしたら、
その転換は並大抵のことではないでしょう。それには自分の音楽の嗜好性は犠牲に
しなければならないこともあります。」
                         (チャレンジ!音楽療法2003 P.10より)

すなわち音楽療法士とは、単に音楽を使った活動をする存在なのではなく、対象者の課題を
解決するために最も適切な音楽行為を実践できる存在でなければならないのです。この、
いわば消費者から提供者への転換は、アマチュアのスポーツ選手とプロの
スポーツ選手の違いにもたとえられます。すなわちアマチュアのスポーツ選手は
スポーツ行為そのものを楽しみますが、プロのスポーツ選手はチームの勝利のために
時として自分の嗜好を犠牲にすることが求められます。そしてこの転換は、
容易ではないでしょう。

なお上記松井先生と同様の指摘は、東京未来大学の竹内貞一先生もなさっています。

「音楽療法士は治療もしくは援助というところに対しても、音楽家のアイデンティティを
前に出しすぎる人が多すぎたのではないか、と思っています。音楽家はある意味、
自己愛的な世界でもあるので、音楽中心の価値観を医療の現場に持ち込んでしまうと
相手の心の領域に不用意に踏み込んでしまう。そこらへんをしっかりコントロールできる
ということが(音楽療法士の)適性として非常に重要なのではないでしょうか。」
                       (the ミュージックセラピー vol.10 P.109より)

音楽療法士を目指す人は、まず「自分の表現のために音楽を使う」という自分の価値観を
「人のために音楽を使う」という価値観に本当に転換できるかどうかについて、自分の心と
相談する必要があるでしょう。

その転換ができない場合、音楽療法士になってもなかなか現場を得られず苦労を
されるのではないか、と考えられます。
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