「元気なNPOの育て方」の成功へのチェックポイントがしっくりくる

うまくいっている事例を相当数取材すると、
ちゃんと、ためになる知見が蓄積されるようだ。

本書は前半と後半にわかれており、前半にはアサザ基金や
Jaeeなど名の知れたNPOの情報をまとめたカタログ、後半には
その情報をもとにNPOの成功法則が書かれている。

そして、この成功法則がなかなかよくできている。



第Ⅱ部 NPO成功への戦略 第2章 成功へのチェックポイント
括弧内は管による補足

1.成功モデルに学んでいるか (自分勝手なノウハウでやろうとてない?)
2.分野クロスを意識しているか (今までにないコラボレーションはある?)
3.事務局体制を整えているか (いつも電話に出られるようになってる?)

4.腹をくくった人間がいるか (この仕事でご飯を食べ、家族を養うぞ!)
5.行政の下請けになっていないか (受ける仕事と受けない仕事の線引き)
6.企画提案力を持っているか (下請けの仕事が来る前に提案!)

7.企業との差別化を考えているか (企業だとやりづらいからNPOなんでしょ?)
8.コミュニティ再生の意識を持っているか (事業を続けて誰が幸せになるの?)
9.開かれた組織にしているか (右手で仕事をしながら、左手で仲間を探せ!)

10.ボランティアを活用しているか (ボランティアも、顧客。)
11.情報公開に努めているか (グッドニュースを、次々と!)
12.批評者ではなく実践者であるか (「そう言うあなた何様!?」に負けない)

13.協働の場をつくっているか (「元凶」だと思われる人と手を組む。)
14.評価システムを持っているか (で、その事業で何が変わったの?)

うちはNPOではないが、近い要素がかなりあるので、「ここはできてきた」
「ここはもっと伸ばさなければいけない」などと、考える種になる。

とくに「なるほど~」と思ったのが、「1.成功モデルに学んでいるか」に
出てくる以下の記述。ちょっと長い引用になるが、ぜひ読んで欲しい。

「それはちょっと話せないんですよね~」と言われてイラっとしたことの
ある人なら、「やっぱりそうだろう!」と言いたくなるような話だ。

 「安心院町グリーンツーリズム研究会」の宮田さんは「グリーンツーリズムの運動を全国に広げていくために、私たちが知っていることは全部教える」と公言している。「ノウハウを教えたらお客が安心院から逃げてしまうのではないか……」という私の疑問に対して「ノウハウを教えることでお客が逃げるのなら、安心院にそれだけの力しかなかっただけの話だ」と潔い。宮田さんは「安心院さえ良くなればいい、大分さえ良くなればいい」というようなせこい考え方は持っていない。「日本全国の農村が一歩上に上がるためにみんなで手をつなごう」と呼びかけているのだ。

 この行動原理を聞いて、私は動的情報という言葉を思い出した。金子郁容は『ボランティア もうひとつの情報社会』の中で、静的情報と動的情報という二つの概念を示している。情報というものはすでにどこかに「あるもの」で「固定的なもの」という見方が静的情報の考え方、情報を相互作用や関係性から「生まれてくるもの」で「常に変化するもの」という捉え方が動的情報の考え方である。静的情報と動的情報のどちらが既存の枠組みを壊し、新しい枠組みがうまれやすいかは明らかである。言うまでもそれは動的情報の方である。

 動的情報という考え方に経てば、重要なことは、情報を隠すことではなくて進んで人に開示すること、そしてその情報について意見をもらったり、その情報に付随する別の情報を受け取ったり、次にそれらの意見や情報に対してこちらの考えを示してというように循環のプロセスを作り出すことである。こういったやりとりの中で、情報に意味がつけられ、新しい価値が生まれ、そこから新しいビジネスモデルが生まれてくる。

(177ページ~178ページ)

要は、新しい情報やノウハウが手に入ったとき、
それを隠すのではなく進んで開示しましょう、ということだ。

実はこれ、簡単そうに見えて意外と難しい。たとえば人が言ってないことを自分が
言うときに反応が怖くなったり、虎の子の情報はもったいぶりたくなったりする。

しかし、人が「なるほど~」と思うような情報を進んで
出せるから、重宝されて仕事が入ってくるわけだ。

自分はまだまだ人に話を聞いてまわることが多いから動的情報は少ないが、
3年以内くらいにこの宮田さんみたいな堂々たるスタンスが取れるようになりたい。

もっとも、「人に話を聞く」ノウハウならそこそこたまってきたような気がする。

勉強会を続けつつ、「介護職の方に喜んで場に参加してもらう10の法」
とかが事例とセットで言えるようになったら、かなり良いと思う。
うまくいっている事例を相当数取材すると、ちゃんとためになる知見が蓄積されるようだ。本書は前半と後半にわかれており、前半にはアサザ基金やJaeeなど名の知れたNPOの情報をまとめたカタログ、後半にはその情報をもとにNPOの成功法則が書かれている。そして、この成功法則がなかなかよくできている。
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