介護現場の言葉遣い・思考 “慣れ”について

昨日は町田市の認知症ケア研修会に参加。
陽だまりの家町田の吉田ホーム長に声をかけていただきました。


ホールには80名ほどの介護スタッフが集合。
6名のグループにわかれてケーススタディを行います。

70歳代女性。
アルツハイマー型認知症。
要介護度は3。
ご主人と二人でお住まい。

そのほか彼女について情報が与えられ、

“彼女の真のニーズは何か?”
“現在行われているケアとニーズとの乖離はないか?”。

グループ内で話し合います。

ケースの方はデイサービスをご利用とのことで、
とりわけデイでのことについて話し合いを行いました。


私の参加したグループは、私以外に
デイ職員の方が3名、訪問介護の方が2名。

 今3ヶ月デイを利用しているのね。
 週に1回だから、合計12回くらいか。
 最初のころは送迎に来たスタッフにつきっぱなし
 だったけど、少しずつ落ち着けるようになった。

 飲み物はほとんど召し上がらないのね。
 以前トイレに失敗したのかしら?
 無理に飲んでいただくことはないよね。

こんな風に話が進行。

最終的に、

・不安があるからなるべく同じ空間で同じスタッフが
 対応するようにしよう

・水分は自宅だとたくさん取られているようだから
 デイでは強いないようにしよう

・日々のスケジュールはご自身で
 綿密に立てられているからデイでも
 ご自身でスケジュールを立てていただこう

・ご主人が介護疲れで参っている。
 とにかくデイに慣れて、利用してもらえるようにしよう。

という方針を挙げました。


ここでひとつの言葉が気になりました。

“慣れてもらう”。

我々のグループでも出てきた言葉だし、
他のグループの発表にも頻出しました。


“慣れる”

これは具体的にどういったことを表す言葉なのでしょうか?
実は、すごくあいまいなことに気がつきました。

安心して心地よくその場いることも、慣れ。
無理やりその場にいることに“慣れる”こともあります。

プラスにもマイナスにもとれる。

さらに「その場で落ち着かないのは慣れないからです」。

こうすると、“慣れない”背景にあるものが
全部無視されて、原因がすべて「慣れないから」で
落ち着いてしまう。

使いやすい分、思考停止の言葉。


ご家族がきいたらがっかりするかも、とも思いました。

「奥様が落ち着かないのも、慣れないからですね~」

わるいのは妻か、、やはり、妻が認知症だから、、。


デイをどのようにすごされたかについて、
仮説でも、その背景を分析して説明する。

普段のスケジュールと異なる行動をしたから不安を感じられたかも、
とか
顔なじみのスタッフが途中で席をはずしたから
とか。

ご家族もホッされるのではないでしょうか。


「慣れる」という言葉で状況を片付けてはいけない。

私の主たる仕事である音楽療法士と介護現場のつなぎでも
同じことと思い、わが身を省みました。

施設の職員さんに対して、
利用者さんが緊張していたのは、音楽療法に慣れてないからです。

音楽療法士さんに対して、
慣れれば堂々とセッションできるようになりますよ。


慣れるってどういう状態?いつになったら慣れるの?

「慣れる」という言葉を使い慣れてはいけない・・・。
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