リスクコミュニケーション勉強会復習 その1

先週土曜日、中浦俊一郎さんが主催する勉強会
「サックル」に参加してきました。

今回のテーマはリスクコミュニケーション。
作業療法士で広島大学教授の宮口英樹さんが講師です。

iPadでメモをとりながら参加しました。
メモと対話しながら復習します。

☆が宮口さんのお話、それ以外は管の感想です。



☆まず、リスクコミュニケーションで扱う情報と、
「ハンバーガー屋がうまい」という情報は伝わり方が異なる。
そこをおさえておかないと「何回も言ったのに!」
という結末になる。


あの人が美人だ。誰それが成功した。失敗した。
放っておいても伝わる。味屋の旨さ便利さも、、。
しかし、「地震が来るぞ!」「原発には危険性があるぞ」
事が起きるまでは本気にする人が少ない。

先日津波のテレビがやっていた。
「津波が自分の地域まで到達するとは」
普段避難訓練している東北沿岸の人でさえ思っていたという。
多数の人が流された。

ある情報を得たときにそこからどのような想像力を働かせるか。
人によってまちまち。生きる力の差はそこにあらわれる。
リスクコミュニケーションのプロとは、
より多くの人を良い方向に導ける人物であろう。


☆信頼性のある情報
信頼してないと、人は情報を受け入れない。
信頼性を構築する過程がリスクコミュニケーション。

玄人と素人の違いは、信頼があるかないか。
一回突飛な情報を信じてもらうために、百回、千回、
細かいことを積み上げる。私の信条です。


☆安全性を高めるためには、制限が増える。
逆に、制限を減らすと安全性も減る。
どこでバランスを取るか。
そのリスクに関わる意思決定の主体は
リスクにさらされる当事者本人であるべきだ。

☆医療的なリスクと生活上のリスク
医療リスクは完全に専門家に任される。
しかし、生活上のリスクは自分でも判断できると思いがち

2週間ほど前、急に奥歯が痛くなった。
親知らずである。
激痛ではないが、違和感耐え難い。
知り合いに遅くまであいている歯医者を紹介してもらった。
「親知らずが押しているようで、不快です、、。
抜いてもらえませんか?」

「抜くのはかまいませんが、管さんの痛みは
親知らずが原因ではないかもしれませんよ。
それでも抜くというのなら、抜きますが。」

弱った。歯医者に行けば解決すると思ったのに、
決断をゆだねられてしまった。
レントゲンは??不調で動かないという。
しょうがない。
せっかく来たから抜こう。
結果は?一晩違和感。翌日からはすっかり痛みが引いた。

自分で何でも決められると思っていた。
しかし、そうではなかった。
歯を抜くかどうかも即決しなかった。
対応してもらえると思っただけに。


☆機会拡大 リスク拡大
機会減少 安全偏重←私(宮口先生)の哲学が納得しない

作業療法士の宮口先生がなぜリスクコミュニケーションの
研究をはじめたか?作業療法をチャレンジと捉えた時期があるという。
できなかったことに挑む。
がんばっていると、あることに気がつく。
チャレンジにはリスクが伴うではないか!
そこで、生活上のリスクについて調べてみた。
リスク。原発、ダム建設。こういった観点での
リスクコミュニケーションは発達していた。
一方、生活上のリスクに関するコミュニケーションの
文献、研究はほとんどない。
よし、これをやろう。宮口先生の研究がはじまった。

(続く)
コメント

リスクって奥が深い

広島大学の宮口です。
管さんのコメントと感想に思わず、投稿させていただきました。

リスクって奥が深いと思います。生命の安全、経済的なリスクの軽減、対人関係の構築、対象とする視点は違いますが、いずれもリスクを伴います。共通点は、いずれも意志決定を伴うこと。成人になればもちろん主体は、個々人です。

病気や障害をもってしまったら、個々人の意志決定が適切に行われないかもしれない。家族でも、病気の予後などが詳しく分からないから、このフレームワークは同じです。

この場合、リスクを伴う意志決定の結果に対して、どの程度、本人に責任を問うかということです。病気のため、適切は判断ができないなら、責任は問えないということになるでしょうか?難しい問題ですが、ここにリスクコミュニケーションとしての社会的合意という考え方があります。

専門家の意見をよく聞き、問題に対処していたにも関わらず、事故が起こってしまった。一方、家族が自ら苦慮して、問題に対処を試みたが結果的に事故が起こってしまった。
前者は、社会的合意のもとに起こった事故で、後者は、それがなかった場合と見なされる場合が多いと思います。

私は、リスクコミュニケーションによって、誰か一番問題のある誰かが責任を負うような、そんな考え方が変わると思っています。そうなると責任逃れが難しくなるから、なかなか広まらないのかもしれませんが。

専門家は、リスク判断の難しい局面に、アドバイスだけではなく、理解できる言葉で、一緒に考えること(これを共考といっています)が必要だというのです。
信頼されていない人とはそんなことできませんから、そう言う意味でリスクコミュニケーションが信頼性の上に成り立っているということです。


コメントの投稿(管理者の承認の後、反映されます)
管理者にだけ表示を許可する