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リスクコミュニケーション 宮口英樹先生との対話

前回のブログに宮口先生がコメントをくださりました。

コメントタイトル:リスクって奥が深い

広島大学の宮口です。
管さんのコメントと感想に思わず、投稿させていただきました。

リスクって奥が深いと思います。生命の安全、経済的なリスクの軽減、対人関係の構築、対象とする視点は違いますが、いずれもリスクを伴います。共通点は、いずれも意志決定を伴うこと。成人になればもちろん主体は、個々人です。

未来は不確実。予想には幅があるのが自然。
「世界陸上での日本の金メダルの数は5個から10個だろう」
「もしかしたら0個かもしれない」
「5年後にガンになる確率が10%から30%」

しかしながら人間は本能的に皮算用をする生き物。
頑張れば金メダルが20個取れそうな気がしたり、
まさかガンにならないだろうと思ったり。

コストとの兼ね合いで迅速な判断ができず、
そうこうしているうちに危機になってしまうこともある。

リスクの算定、評価に客観的な視点が必要。

病気や障害をもってしまったら、個々人の意志決定が適切に行われないかもしれない。家族でも、病気の予後などが詳しく分からないから、このフレームワークは同じです。

この場合、リスクを伴う意志決定の結果に対して、どの程度、本人に責任を問うかということです。病気のため、適切は判断ができないなら、責任は問えないということになるでしょうか?

「自分で決める」ことが妥当であるかどうかを判断するには
二つの評価軸が必要と考えます。

本人の判断能力。(その判断が社会的に許容されるものか)
事象そのものの特性。(人に迷惑をかけるかどうか、生命に重大な危機を及ぼすかどうか)

たとえば特段障害の無い青年が、朝食をパンにするかご飯にするか。
能力的にはもちろん判断可能。人に迷惑をかけることもないし、
どっちにしても生命への危機はない。
よって、パンでもご飯でもいい。

では、覚せい剤の使用はどうか。判断能力があろうがなかろうが、
覚せい剤の使用は中毒症状によって生命に危機をおよぼす。
少なくともおよぼす、とされている。
よって、覚せい剤の使用について自己判断はゆるされない。

前回、親知らずを抜くかどうかで迷ったことがありました。
これは、最終的には「私に基礎的な判断能力があり」
「親知らずを抜くことで誰に迷惑をかけるでもなく、私の命が危機にさらされることはない」
ということでお医者さんは私に判断を委ねたのだと思います。

でも、専門家に「抜いてもいたみがとれるかはわかりませんよ。」
というブレーキをかけられるのはなかなかくるしいものがあります。

難しい問題ですが、ここにリスクコミュニケーションとしての社会的合意という考え方があります。

専門家の意見をよく聞き、問題に対処していたにも関わらず、事故が起こってしまった。一方、家族が自ら苦慮して、問題に対処を試みたが結果的に事故が起こってしまった。
前者は、社会的合意のもとに起こった事故で、後者は、それがなかった場合と見なされる場合が多いと思います。

社会的合意。
これをとっていこうとすることで最終的なコストが下げられる可能性が考えられますね。

同時に、社会的意向と自分の意向が異なる方向性にあるとき、これは結構しんどい。
先の親知らずで言えば、歯医者さんは「抜くのをやや反対する雰囲気」でした。
最後、抜きますか?今日はやめておきますか?
抜きます。
(えっ)という表情のあとに、「わかりました。やりましょう」

(間違ったかしら、、)親知らずを抜いて重体になることはないと
わかっていても不安にはなります。


一方、社会的意向と異なるからこそ成功する場合も。
人間が空を飛べるわけがない。飛ぼうとお思わない。
その反応を乗り越えて、飛行機をつくる。

私は、リスクコミュニケーションによって、誰か一番問題のある誰かが責任を負うような、そんな考え方が変わると思っています。そうなると責任逃れが難しくなるから、なかなか広まらないのかもしれませんが。

専門家は、リスク判断の難しい局面に、アドバイスだけではなく、理解できる言葉で、一緒に考えること(これを共考といっています)が必要だというのです。
信頼されていない人とはそんなことできませんから、そう言う意味でリスクコミュニケーションが信頼性の上に成り立っているということです。

今、介護旅行の会社が出てきています。(過去のブログ
車椅子の方と一緒に真冬の稚内に行くこともある。

先の飛行機の例とあわせると、プロの定義のひとつに、
「リスクを高めずに自由を拡張する」という要素が浮かび上がります。
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