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“音”そのものが持つ効果

音楽療法の核は、音楽療法士と参加者の人間関係にある。

今までそう考えていました。

一緒に時間を楽しむにはまず人間関係。
親近感、信頼感があれば共に良い時間がすごせる。


一方、私があまり目を向けてこなかった領域があります。

それは、音そのものが持つ効果。


蝉の音聴くとなんだか暑くなる。

とか

ふるさとを聴くと故郷を想う。

とか。



一昨日、ピック病のお父様を介護されている方に
お話を伺いました。

 浅井郁子さん(twitter)

承諾をいただき、エピソードご紹介します。


(以下浅井さんとのお話)


管さん、音楽療法の会社をやっているんですね。

私、音楽の力はすごく信じられる。

お父さん、病院から帰ってきて、
最初、私は「敵」だった。

部屋の中を歩き回って、
棚から食器や本を次々と出して、
一時もじっとしない。

昼夜が逆転している。
なにをするかわからないから
24時間目が離せない。

やめて~と思った。行動を止めた。
父からすると私は「敵」だった。

睡眠が満足にとれない。
5ヶ月間、本当にしんどかった。
週3回デイサービスに行っている昼の時間だけが私の休息。

お父さんは何が不満なんだろう?
考えた。
元気な頃のお父さん・・・。

自分のことを「パパ」と呼んでいたのを思い出したの。

「パパ」って呼んでみた。

そしたら、私を見てニコッて笑って頷いた!

それまでは目も合わせてくれなかったのに!

「パパ、パパ」って呼ぶと喜ぶ。

この瞬間から、私はお父さんの敵から味方になった。

この日以降、介護が楽しくなった!


お父さんと一緒にテレビの歌番組を見る。

うぅ、と涙を流す歌手とそうでない歌手がいるの。

私が本気で歌って踊ると喜んでくれる。

でも、中途半端だと、そっぽを向く。

厳しいの。

何が本物かわかっているんだと思う。

(お話ここまで)



ハッとしました。

今まで、音そのものの効果を軽視していた。

グループホームやデイサービス。

ときどき「パパちゃん」とか「かぁちゃん」とか
ご利用者に声をかけるのを聴きます。

なんとなくそう呼んでいるのかな、
と思っていました。

実際は、なんとなくではない。

経験的に、ご本人が安心する、喜ぶ呼び方を
しているのでしょう。


先日たずねた特養では、食事のときに
クラシックがかかっていました。

「クラシックをかけると食が進むのよ。演歌じゃだめなの」

職員の方がおっしゃっていました。
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