デイサービスで「音楽の時間」をつくろうと思ったときの選択肢

高齢者のデイサービスは、いくつかのタイプにわけることができる。

1.リハビリや体操、レクリエーションなど様々なプログラムを組んでいるタイプ
2.一人ひとりが過ごしたいように過ごすのが大事と考え、あえてプログラムを組まないタイプ
3.プログラムを組む日もあれば組まない日もあるタイプ
4.リハビリ特化型、入浴特化型など何かに特化したタイプ

このうち1と3、4の一部ではプログラムの中に「音楽」を入れることが多々ある。
また、プログラムの幅を広げようと思ったときに「音楽」が新たな選択肢に入ることも多い。

では、音楽を使うとしたらどんな方法があるのだろうか?
よくある例を列挙する。

A.職員による音楽活動

ピアノやギターが弾ける職員がいるときに取り組みやすいのが、職員による音楽活動だ。意図的に音大卒の職員を雇用して彼ら彼女らが音楽活動の担当をしているケースもある。戦略的に人員配置をしているケースは良いのだが、「たまたま音楽ができる職員がいるから」という理由でプログラム化されているケースも結構ある。「好きでやっている」というのはすばらしいことではあるけれど、属人的になりすぎるのには注意が必要だ。いざその職員が異動・退職したら続かなくなってしまう。

B.音楽ボランティアの活用

古くからなされているのが、音楽ボランティアの活用だ。慰問演奏と呼ばれることもある。費用負担がほとんどかからず担い手もそれなりにいる、というのがボランティアの長所だ。外から人が来るだけでも空気が変わる。一方、音楽ボランティアはクオリティの幅が非常に大きい。定期的に長く続いて施設利用者とボランティア双方の生きがいになっているケースもあれば、双方のニーズが合致せず一回でおしまいということもある。また、タダだからという理由で「もっとこうしてほしい」というのが伝えられないケースもある。利用者がプログラムのあと小声で「逆ボランティアしちゃったよ」と仰ったこともある。

C.カラオケマシン

大手カラオケ会社が介護分野に参入した影響で、急速に拡大しているのがカラオケマシンだ。曲が豊富で映像まで出てくる。強力なコンテンツだ。人さえいれば、使う時間を問わず音楽ができる。ただし歌う人に偏りが出るケースがあるのと大型の機器だと場所を取るのが弱点といえば弱点か。あと、ファシリテートする職員の技量も重要だ。

D.外部講師(音楽療法士、ボイストレーナー等)による音楽活動

外部講師も歴史が古い。日本では赤星式の音楽療法が先駆けではないかと思う。音楽ボランティア同様、外部から人が来るのが強みの一つだ。新しい発想の活動ができる。しかも、対価を出している分ボランティアよりはクオリティのぶれが少ない。ただし、当たり外れが無いかと言われるとそうでもない。「プロなのでお任せします」というスタンスだと施設と講師でいつの間にかやりたいことがずれてしまうことがある。「○○な時間をつくりたい」ということを予め明確にして、その条件に合う人を探すことが大事だ。

まとめ

音楽は手軽に楽しめるツールなので、多くの介護施設で取り入れられている。ただし、手軽だからと言っていい加減に導入するのは禁物だ。「事業所の一プログラム」として考えるのか「中心的な売りの一つ」として考えるのかによっても取り入れ方は異なる。施設の規模にもよるが、ボランティア・外部講師コーディネータを配置し、一定数の枠を任せるのもおすすめだ。「たくさん笑った!」「歌ってすっきりした!」そんな音楽の空間が介護の現場に広がることを願っている。
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