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人生は喪失の連続。それを認めるところから始めよう。

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グリーフケアと聞いて何を思い浮かべますか?
「遺族のケア」だと思う人は多いかもしれません。
私もそうでした。

本日は鈴木 隆浩さん主宰のTochigi未来カフェの2周年記念講演会。
日本グリーフ専門士協会の代表理事、井手 敏郎さん(敏さん)のお話を伺いました。

まず、喪失とは何か。喪失と聞くと、私たちは肉親の死を思い浮かべる。
しかし広義の喪失は多様だ。

野球選手を志していたがケガでできなくなった。
事故で体の自由を失った。
ペットロス。
認知症で記憶を失う。
最近だと、福山ロスも。

井手さん自身も喪失を経験した。
幼少期。友人が振ったパイプが左目をかすり、左目の視力が極端に低くなった。
まだ小さいのに毎日眼球に注射。
3ヶ月以上。合計100本。
注射のために、泣きながら幼い敏さんの体をおさえる母。

喪失したときにより辛いのは、どちらだろうか?
血縁がちかいもの?
あるいは心理的な距離がちかいもの?

つらいのは、心理的な距離がちかいもの。
オヤジが死んでもケロッとしているのに、飼いネコが死んで動けなくなる人がいる。

人生は喪失の連続である。
喪失と向き合うことは、人生と向き合うこと。

では、喪失をどう解釈するのか?
哀しみのバルーンという考え方がある。
「悲しみ」ではなく「哀しみ」。
広い意味でのかなしみとして、この漢字を使う。

哀しみがバルーンを満たしていく。
適切に哀しみを抜いていかなければ、破裂のおそれ。

哀しみのあらわれ方にはいろいろある。
混乱「娘が亡くなった?!え、どいういこと?!」
否認「そんなワケないじゃないか。悪夢に決まっている」
幻想「ほら、今も息をしているじゃないか。みんな何を見ているんだ。」
怒り「あの運転手さえいなければ!」
罪の意識「あぁ、出かける前あと1分、娘と立ち話をしていたら、、!」
孤独感「もう娘には会えない」
抑うつ「何もしようと思えない」

介護の現場で怒っている利用者がいたとする。
しかしそれは、私たちが憎くて怒っているのではない。
哀しみのあらわれのひとつだ、と解釈できる。

抑うつは鬱病とわけて考える。
哀しみからくる抑うつ状態は病気ではない。
生きていて当たり前のことだ。
ただし、状態によっては医療につなぐ。

介護士や看護師が上司から「プロなら泣くな」と言われることがある。
それは、バルーンのガス抜きをとめる。
ガムテープをはるようなもの。

グリーフ専門士は、ガス抜きをする。
環境を利用したり、対話を利用したり。
「泣いていいんだよ」とガムテープをはがす。

ただ、単純に出させるだけではない。
調整して適切な状態にするのもプロ。

グリーフをどうとらえるか(その2)。
グリーフのスパイラルというモデル。
ラマーズやアルフォンスデーケンの理論をわかりやすくしたもの。
哀しみを中心にうずをまく(写真参照)。
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混乱
否認
怒り
抑うつ
諦観
転換
再生

再生したと思っても、スパイラルから抜けたとは限らない。

一度転換まで行ったとする。
気晴らしにハイキングに出かけよう。
一緒に出かけた近所の人が言う。
「よかった。もうすっかり元気になったのね」。
その瞬間、怒り!「そんなすぐに元気になるわけないでしょ!何言ってるのよ」

元に戻ったように見える。しかし、必ず進んでいる。
哀しみとともに、うずを巻いて、ときにスキップして進んでいく。
いずれ、哀しみを手放しながら自分らしく生きる。
グリーフ専門士は、当事者が再生に向かっていることを信じる。

グリーフは喪失後に始まるのではない。
喪失を意識したときから始まる。
対象との関係のもちかたによってグリーフの過程が異なる。

カウンセリングとグリーフケアの違いは?
敏さんいわく、カウンセリングは傾聴が中心。
グリーフケアは積極的に介入していく。
NLP、ゲシュタルト療法など。

(感想)
人生は哀しみの連続。
ほんとうにそうだと思いました。

リリムジカとしても、哀しみを構造的に理解し、
ケアにはいれるようにしたいと思います。

https://www.facebook.com/events/102482343459416/

-2016年1月31日追記-

敏さんから、以下2点、補足をいただきました。「→」からあとは私の感想です。

(1)グリーフスパイラルは、ラマーズもデーケン先生もヒントにはしているが、常に二つの視点から見る大切さと、常に奥にあるものを気づく重要性を意識するためにつくった、両者とはかなり異なったモデルであるということ。
→なるほど。ラマーズとデーケン先生の理論やモデルをきちんと知らずに書いたために「わかりやすくした」と書いてしまいました(汗)
(2)グリーフスパイラルはぐるぐると何度も回転する。再生は最終的なもの。抜けきれない、あるいは戻ったように見える場合(実際は進んでいる)は、まだ再生ではなく転換期。
→再生を本人が感じていても、実際には転換期ということがありそうです。「もう元気になった。前を向きたい」と思えば思うほど空回りしたりがっくりしたりくるケース、よく目にします。
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