あるグループホームにて

「アタシ?子どもはふたり。
孫が優秀でさ。一番めは東大。二番めは慶應。
そりゃあ嬉しかった。
(親指と人差し指で輪をつくり)コッチ、はずんだよ。」

「実家は雪国。大阪に働きに出たんよ。
三年前に息子が『こっちに来ないか』って。
ちょうど二番目が受験でさ。
勉強に差し障りが出るだろう。
それでココに来たんだ。
大学受かったのは嬉しかった。」

「それでさ、私、利殖はうまかったんよ。
勤めてた会社で持ち株会があった。お金ふえたよ。」

(おそらく認知症の進行でほとんど話さない別の入居者を指差し)
「あの人、全然しゃべんないんだ。
ここはいろんな人がいる。」

(以下、ループ。※固有名詞は脚色してます。)

職員さんによると、彼女が実際に入居したのは1年半前。
葛藤が続いているように感じた。

「うちの家族に限って自分を厄介者にするはずはない。
けど、やっぱり本当はそうなんじゃないか・・・。」
私が彼女の立場だったら、きっと同じように感じるだろう。

でも、家族や職員に、入居当時の彼女が納得できるようにするのは
とても難しいことだったと思う。

彼女とそのご家族、それから職員さん、
まわりの人が幸せに過ごせますように、と思った。
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