「正しさ」で攻めようとしていないか

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何かをしようとするとき、だれかを説得しようとするとき、
私たちは「正しさ」からそれを語ろうとしていないだろうか。

「正しければ、それでわかってもらえる」と思っていないだろうか。

2月18日、コミュニティデザイナーの山崎亮さんの話を伺ってきました。
山崎氏はもともと建築がご専門。
阪神大震災のころに、親を亡くした子どもを、子どもを亡くした親が慰めているのを見たそうです。
こんな状態を災害のとき以外にもつくれないかという意識が
コミュニティデザインに取り組む根底にあります。

お話はJTと厚生労働省の戦略の違いふくめ、とても示唆に富む内容でした。
私なりに印象に残った点をメモします。

◎戦後から1960年代くらいまで、税収が間に合っていなかった。
ゆえに地域のことは自分たちでやった。たとえば道普請(みちぶしん)(参考ブログ)。
1960年代以降税収がふえて、行政ができる領域が増えた。
最初は感謝していたけど、無駄も感じるようになった。これが1970年代。
1980年代には余ったお金の使い方を住民たちで考えるように。「まちづくり」の始まり。
2000年代からは余った税金がなくなってきた。
2010年代から、もう一度住民が自分たちで地域のことを担う時代。

◎なぜいまコミュニティデザインか。理由のひとつに、国や行政にお金がないということがある。

◎行政の「すぐやる課」。むしろ「あなたと一緒にすぐやる課」がよいのでは?

◎ワークショップをやるときに、まだ要望、陳情感覚の人がいる。今すべきは提案実行型ではないか。

◎仕事をして、コミュニティデザインの教科書はないと思っていた。
OJTしかないと思っていた。
しかし、社会福祉の教科書をみたら考え方が見事にまとまっていた。

◎ヒアリングをするとき、会議室にきてもらうのではなく、相手のところにいく。相手に主になってもらう。

◎地域に入るとき地域の人脈がどうなっているのかを理解する。
誰に力があるのか。誰と誰を同じテーブルにしてはいけないのか。

◎いきなり攻撃しようとしてくる人もいる。
集まったときに、キーパーソンに大きな声で挨拶。
自分自身の、その地域におけるつながりを見せる。

◎正しさだけでは人は動かない。楽しさ、美しさが必要。

◎コミュニティ、エンパワーメント、オーガニゼーション。
コンセプトはみな「正しい」。ただ、それだけでは動かない。

◎行動経済学によると、人は2つのシステムで物事を判断する。
システム1、システム2。システム1は感性。システム2は理性。
システム1の判断は短い。またリテラシーを要しない。
システム2の判断には時間がかかる。またリテラシーを要する。
※システム1とシステム2についてはこちらのブログの対比もわかりやすいです。

◎タバコに関して、JTの戦略はシステム1。
良いかどうかは別として「おしゃれ」に訴えかける。
一方厚労省はシステム2から攻める。
癌になる確率とか。それは、厚労省は勝てない。

◎医療福祉のキャンペーンはシステム2に訴えがち。
一般人が「介護保険がパンクします」と言われてもピンと来ない。

◎ふるい公民館でママイベントに参加している自分の写真が
インターネットに載っていいと思えるか。
「私はここに居るべき人だ」と思えることが大事。

◎事例集めはスポーツだ!
まず、ネットを使って100の事例を集める。
そのうち10くらいはピンとくる事例がある。
10の事例についてまとめる。
10の中で特に気になったものについて本、雑誌で深堀してさらにまとめる。
「こりゃすごい。感動。かなわん。」と感じたものについて、手土産持って会いに行く。

◎事例をたくさん知っていると目利きになれる。
ワークショップで出た案のうち、何が伸びるものかがわかる。

◎漫然とKJ法をしても仕方がない。
スタッフに10倍の知識があるかどうか。

◎地域で何かをするときにいろんな声が飛んでくる。
大切なのは「わかる!」と言ってくれる仲間。叩かれても「でもやろう」と思える。

今回で11回めを迎えたPRESENTの企画運営も見事でした。
Join for Kaigoの秋本可愛さん(写真左)、運営の皆さん、ありがとうございました!
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